どちらも暖房特化モデルの2シリーズのうちの上位機種である。
パナソニックUXシリーズのフィルター掃除方式が自動排出方式となっている点に注意。しっかり把握すべし。
パナソニックのUXシリーズが2015年4月の発売で、日立の方が2014年発売、2016年1月現在まだどちらも販売されている(日立のZDシリーズの場合は2015年発売の最新機種もあり)
Panasonic UXシリーズの室内機
日立ZDシリーズ室内機
これらと全く同じ機種(または型番の違う同等品)はジャパネットたかた、ヨドバシカメラ、ビックカメラ(楽天ビック)、ヤマダ電機、ビックカメラ、コジマ、ケーズデンキ、ノジマ、ジョーシンなどのネットショップでも現在は安く、お得に販売されている。
寒冷地向けエアコン・パナソニックCS-UX255C2(上)と日立RAS-ZD25E2(上)の違い
以下、Panasonic:、日立:と省略して表記。
スペック
※カッコの中の最大・最小運転能力にも注目。最大運転能
力は大きいほど、最小運転能力の場合は小さいほど快適性能
が良くなる。
※どちらも200V機種
表の数字を参考にすると電気代を調べる事も出来る⇒エアコンの年間電気代の簡単な調べ方
フィルター掃除方式の違い 飛ばして次の項目へ
Panasonic:自動排出方式
日立:ダストボックス式
ダストボックス式とは文字どおりダストボックスがエアコン本体の内部に内蔵されているタイプで数年に一度はダストボックスを取り外して捨てるのが標準的な目安だ。
自動排出方式とはエアコンの内部に小さな掃除機が付いていてホコリを外に出す。
実は自動排出方式には専用のホースが一本つく。
シャープもこのタイプの機種があるし、ダイキンも加湿タイプは
清掃用ではないが同じく専用ホースが必要になる。
この点でケースとしては少ないが隠蔽配管になってる建物などでは工事不可!
なので注意が必要である。
標準工事の場合は普通は室内機と室外機をつなぐホースが壁を貫通してすぐ外に出ているのだが、壁の中に埋まって見えないケースがある。
これが隠蔽配管だ。
建物内部、天井裏や下を通るケースもありさまざま。
自動排出方式の利点はやはりゴミ捨てが必要ないという事に尽きるが、もしキッチンの近くに設置するなど、油汚れなどが管の中に長年付着してきた場合はどうするかなども考える必要があるかもしれない。
こちらも参考に⇒エアコン配管(化粧)カバーは掃除方式によっては必ずつけるべき
この点は買う人の判断になる。
Panasonic:すぐでる暖房
日立:スピード暖房
すぐでる暖房
従来のエアコンの場合、暖かい温風が出るまで時間がかかっていたものが大幅に時間短縮できるようになった。
朝に運転をオンにする時間をエアコンが学習する事と室外機の余熱運転の組み合わせで、これを可能にしている。
スピード暖房
特に変わった説明はナシ。
外気温-25℃で運転可能
外気温が低いほど暖房能力が下がってしまうが、かなりの低温でも運転可能にするためには室外機にもそれなりの仕組みが必要である。
Panasonic: 〇
日立: 〇
互角。
暖かさを長続きさせるための機能
Panasonic: ハイブリッドエネチャージシステム
日立: デュアルバイパス暖房
Panasonicのエネチャージシステムとは?
従来のエアコンは室外機の霜取りをする必要がある場合は暖房を止めざるを得なかった。なので暖房にもかかわらず数分間冷風がでる場合があったのだが、エネチャージシステムの場合、捨てられていた熱を有効利用することで暖房を止めずに運転。
UXシリーズは蓄熱ヒーターを新しく搭載することによりハイブリッドエネチャージシステムへ進化している。
より暖かさをキープできるという画期的な機能。
暖房を重視したい地域などでは重要な項目になる。
日立のデュアルバイパス暖房とは?
名前は難しいが、要するにノンストップ暖房の事。Panasonicのエネチャージと似ているが、少し内容が違う。
室外機内部の2つの熱交換器を交互に使って霜取り運転するためにノンストップが実現できるというもの。これにより霜取り時に特有の暖房運転停止(数分間)を回避するわけだ。
鬼比較の真骨頂
カタログなどを参考にする場合は小さな文字の注釈も大事である。※を見ればあれ!?思ったのと少し違った、という事がたまに起きる。
今回比較している日立の場合、霜取り運転時は室温が約2~3℃下がりますとあるのに対し、Panasonicの方は屋外温度が低い場合、部屋の中がまだ十分に暖まってない場合、などに室温が下がる場合がありますとなっている。微妙な違いだが、この機能でのPanasonicの自信が表れているように思う。
温風機能
Panasonic:もっとモード
日立: 温風プラス
もっとモードとは?
今だけもっと暖めたい時に助かる。例えば「暖房」ボタンで運転中、「もっと」ボタンのひと押しで、暖房をもっと強力に。自動で元に戻る便利な機能。夏は冷房をもっと強力にすることも可能。
外気温-20℃でも最高吹き出し温度約50℃を謳っている。
温風プラスとは?
もっと暖かい風が欲しいと思ったときに便利。リモコンの『温風プラス』ボタンを押すことで吹き出す風の温度が約55℃の高温風運転(外気温-25度でも)を30分間行う。
※温風は日立の方が強いようだ。
その他の特徴的な機能など
Panasonic: ナノイー
日立: ステンレス・クリーンシステム
ナノイーとは
目に見えない空気の汚れを抑制。
今回の2機種で比べた場合、まず大まかにイオン系かどうかで分かれる。日立ZDシリーズは空気清浄イオンの様な物は出ない。一方、パナソニックはナノイーを気流に乗せて部屋全体に行きわたらせ除菌できるというイメージ。
ステンレス・クリーンシステムとは?
ZDシリーズの場合はフラップ、通風路、フィルターにステンレスを採用。除菌と防汚の効果あり。
※たまにその店独自の機種(型番)が販売されていたりすぐが、同じステンレス・クリーンシステムでもコーティングされてない部分がある点はあまり知られていない。
日立の場合は本体自体への汚れの付着を抑えるタイプ。
ビッグ&ウェーブファンとチタン熱交換器の有無
Panasonic: ×
日立: 〇
さらに日立ZDシリーズの場合はコーティングが強化されている。
一方のPanasonicの方は熱交換器に親水コーティングを施してあり、防汚と防カビに効果あり。
パナソニックの特徴でもあるナノイー自体にも除菌などの効果があるため、清潔度は簡単に比較することはできない。
センサー(カメラ)機能
Panasonic: ひと・ものセンサーと床温センサー・(日差しの自動検知あり)
日立: くらしカメラ ツイン(画像カメラ&温度カメラ)・(日差しの自動検知あり)
ひと・ものセンサー
熱の動きから人とものを見分け、人がいるエリアに絞って冷暖房を行い、高い節電効果も期待できる。
面白い機能が上の写真。人の居場所を学習・記憶することで人のよくいる場所を中心に空調を行う機能。
もちろん、『風あて』『風よけ』の設定も可能でセンサーでひと・ものを検知できるからこその機能となっている。
※家具位置設定が手動で必要
床温度センサーとは?
特に冬に効果を発揮する便利な機能の一つ。例えば床の温度が高く人の動きが多い場合は控えめの暖房に(つまり活動量を検知)
その逆の場合は足元を温めて上半身は暖め過ぎないようにさせる事もできる。もちろん自動だ。
その他、不在省エネ運転と切り忘れ防止のオートオフ機能も可能。
※床温度センサーによる35℃足元暖房も売り
日立のくらしカメラ ツインとは?
エアコン本体についている画像カメラにより、人の周囲の温度・人数や位置、距離、動き(活動量)、足もとなどをチェックし、自動で温度や風向・風量をコントロールしてくれる便利なカメラ
温度カメラにより、人の周囲温度も検知可能。
こちらもオートセーブ、オートオフあり。
※足もと温度のチェックによる床面温度約30℃も売り
それぞれ特徴があるのでしっかり把握すべし。温度だけ見るとPanasonicの35℃足元暖房の方が効果が上のように感じてしまうが、【足もとの温度と床面温度】は違う。この表現はほぼ互角と思っていいだろう。
間取り サーチ機能の有無
Panasonic: ×
日立: 〇
地味に便利な機能。日立の場合、Panasonicのような家具の位置設定が出来ない代わりにこの間取りサーチ機能あり。
上手な使い方のDVD付属
Panasonic: ×
日立: 〇
地味にうれしい付属品だが、使わない人も多いような・・・
ラインナップ
Panasonic UXシリーズ
CS-UX255C2 CS-UX285C2 CS-UX405C2
CS-UX565C2 CS-UX635C2
8畳から20畳用まで。すべて200V。
日立ZDシリーズ
RAS-ZD25E2 RAS-ZD28E2 RAS-ZD40E2 RAS-ZD56E2
8畳から18畳用まで。すべて200V 。
室外機
Panasonic UXの室外機
日立ZDの室外機
どちらも室外機の大きさは一種類のみ。